サル
0■サル
息をするのももどかしくて それでも気づくと
きみのことばかり かんがえているよ
臭いものに蓋をしてきた これまでのツケかな
好きか嫌いだけじゃない ことの顛末
△ 何のてらいもなく 物おじせずにいられたぼくは
一瞬のうちに見事にサルに退化した
きみがぼくから盗んだ あの日のキスには
特別な意味不明コードが仕込んであって
速い脈で甘い毒がまわる
ひとの敷地内で 無断で勝手に胸に幾つも上がる
それは花火ではなく 熱いぼくの生体反応です
サルになっちまった ヤッホー △
性器で出来ることなら きみと試したし
心で出来ること 次はしてみたい
カラフルに色を失くしてる これがぼくだなんて
かき消すほど 粒立つ恋のこの野郎
自我に苦しんでる アウストラロピテクス以前さ
いちいち挙動不審になるぼくって誰さ?
わずかな軋轢(あつれき)それさえ きみの魔法のわざさ
ぼくはきみの文鳥か それか餌食なんだね
ぼくはきみの生け贄でもいいよ
もしかして今なら 醜い世界も愛せるかも知れない
クズでゴミのようでも それはぼくのミッシングリンクです
サルって気持ちがいい ヤッホー
いい材料何もなくても からっぽで抱きしめてるこの手には意味があるぜ
右手左手 飽和状態
ぼくらが両手いっぱいに抱える問題に もはや正解はないと言おう
△くり返し