歌詞のようなブログ

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きみにもらったスマートウォッチにぼくたちの今は表示されない

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■きみにもらったスマートウォッチにぼくたちの今は表示されない

一緒に歩いていると かすかに手がふれあって
きみを意識して 手をつなごうか迷ったあの日
一緒に食事をしてて 何か言おうとしたとき
きみとかぶって お互い妙に譲(ゆず)り合った日

きみの部屋にはじめて 行ったとき
中がきれいに片づけられてて
部屋のものをさわっちゃいけない気がした日

お互いあだ名で呼びあえるようになって
友だちんちに お呼ばれしたとき
目配せのサインで笑いあった日

その帰りの電車で うとうとしてるきみが
僕の肩に体預けてきた日
そしてピンクの膜(まく)に覆われ はじめてふたりがひとつになれた日
いろんな日があって てっきりこのまま行けるかと
思っていたけれど

社会派をきどるぼくに 「解説も批評も
他人事ならば カンタンですね」ときみが言う日
会話の中に「でも…」がふと きみから増えてくるとき
僕は言い知れぬ 不安と苛立(いらだ)ちに窮(きゅう)した日

長い髪ゆれるたび いい香り
してきて手をのばそうとしたとき
きみが内側にかぎをかけて拒まれた日 

いつもとても僕になついていた きみの
愛犬(イヌ)がいきなり 僕が近寄ると
うそみたいに歯を剥(む)き 汗をかいた日

うっかり口滑らせた ほんのひとことが そう
ふたりの胸の中 染みとひろがった日

さっききみが言った あなたとわたしのこの
恋は宮廷のなかの貴族になる

電話が切れたあと胸の奥 何度も再生されるきみの声
あなたが一番好きなひとと わたしが一番
好きなひとは違う 

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