とまどいSTOP
0■とまどいSTOP
昼休み誘われても校庭であそばない
僕はだるくて机にただうつぶしてたいんだ
一昨日みんなで植樹したときの集合写真(しゃしん)には
きみはいなかったよ 風邪で欠席していた
卒業記念の翌檜(あすなろ)の木は
縁起のいい樹で目標達成を意味すると
先生は解説してた
そんなのどうでもいいけど
最後の期末試験終えたら 僕は
家畜か蛾になるんだよ きみはうつくしい妊婦になれよ
STOP 何か言い残してる
大切なことがあるようで
なぜかきみを意識してる
STOP 気持ち伝えなくちゃ
戸惑っちゃいけない気がする
恋というのと違うけど
男子も女子も群れてはしゃいでいるけれど
むじゃきな虫たちも 社会の虫捕り網のなか
詰襟(つめえり)のホックひとつはずしてため息つく
なぜみんな季節をいそいで渡ろうとする
糸巻きつけた蛹(さなぎ)のままで
何にもならずにそのまま干からびて死んでもいい
僕って変わっているよね
向こうで誰かが呼んでる
残酷なゲームにつながれて 僕も
養分か部品になる きみは咲いてくれ 僕の代わりに
STOP とても言い残している
それが何かわからないけど
そんなものがきみにはある
STOP わかってくれなんて
思っちゃいないけどわかる?
きみに伝えてみたいんだ